‘闘病日記NO.6’ カテゴリー
闘病日記NO.6
先生はプレゼントを置きに事務所に入ったので、 私達がジャングルの植物園に行く為に出口へ向かったその時、 後ろからエルサ先生の声が聞こえた。
所長が会ってくれるとのこと。
さっそく事務所の奥へ案内してもらう。
椅子に座っている(白人系の女性)が所長だそうだ。
「ムチョ グスト(はじめまして)」と挨拶した僕に、笑顔で応えてくれた。
名前はヨランダ・グスマン。
椅子に座り、私達が来た用件を伝えてもらう。 所長 OK。
質問開始、所長との会見。
1 ガンやエイズ、難病などに効果のある植物はありますか。
(所長)今現在の聞き取り調査ではおよそ数十種類、エルサ先生が植物名・効能をまとめているので、後日メールで送りましょう。
2 どこかの研究者がこちらに来ましたか。
(所長)今年に入り、アメリカの研究者達が、ガン・エイズに効果のある植物の情報を聞きにきました。
中国の研究チーム6人も同様に来ました。
中国チームの話しでは、中国に自生しているあらゆる植物を研究したが、 わが国にはガンやエイズに効果のある植物が無かったのでアマゾンにやって来た、ということでした。
3 日本からは誰か来ましたか。
(所長)1994年か1995年に1人来たようですが、私が所長になってからは誰も来ていません。
あなた達が始めてです。マスコミの取材などもありません。
(私)よく日本のテレビでイキトスのジャングルを写した番組をやっていますが?
(所長)民間の人がやっている小さな管理地を取材したんではないでしょうか。
こちらには一度も来ていません。
(日本のマスコミはなにをやっているのかなあ……)
4 アマゾン調査研究所の役割は。
(所長)アマゾン植物の薬効の研究です。
ジャングルに住んでいる原住民からの聞き取り調査や、アマゾン奥地から持ち帰った植物を、 イアップ(ペルー国立アマゾン調査研究所の略)の管理地にて栽培研究、植物の再生方法の研究をしたり、 世界で行われているアマゾンの薬草を用いた臨床試験等の情報の収集、及び発信もしている。
アマゾンの植物はおよそ6万~9万種類あるが、まだほんの一部しか研究出来ておらず、西洋医学的な科学研究もできない。
しかし、もうすぐコンピューターが導入されるので閲覧もできるようになるでしょう。
5 少し雑談の後、所長がアマゾン植物の図鑑や資料一式を私に下さった。
6 所長と一緒に記念写真。ありがとうございました。(グラシアス)
7 施設内を見学。ありがとうございました。
エルサ先生、Aさん、Oさん、そして私の4人は、イアップの入口でモトタクシーに乗り、イキトス市内で昼食をとる。
私とOさんは何を食べて良いのかわからないのでおまかせすると、少しして料理が並べられた。
何か変だが肉のようだ。
あまりにグロテスクなため、何の肉かと聞くと、羊とのこと。
エルサ先生が美味しいから食べろと言うので食べてみるが、あまり日本人の口にはアワナイと思った。
ライスも出てきたので食べてみるが、とても固い。
私は歯を治療中のため折れるのではと思いながらも、 空腹のためごはんだけは全部食べた 。
Oさんはベジタリアンなので、肉以外は本当に美味しそうに食べていた。
それから、車をチャーターしてイアップの管理地のジャングルへ向かう。
30キロ走り到着後、ジャングルの道を進みながら、自生している植物の説明を受ける。
背の高い樹が多く、昼だというのに周りは薄暗い。
今までに見たこともない植物ばかりだが、この中に必ず、人類を助けてくれる植物があるはずだ。
その時、エルサ先生が私達を呼んだ。
いままで写真でしか見たことが無かった、キャッツクロウだ。
自生している本物をいま目の前にしている。
「本当にアマゾンに来たんだなあ………」。
(最近、テレビでもキャッツクロウのことが放映されるようになり、日本の人達にも名前が広がりつつあると思う。)
英語名 キャッツクロウ(猫の爪)
現地名 ウニャ・デ・ガト
この植物は蔓の部分に猫の爪のような 刺があるので、そう名付けられたという。
1本なっていると周囲の栄養分をたくさん吸収するので、1ヘクタールに1~2本しか自生しないといわれています。
このため、原始林の中でキャッツクロウを捜すのは、原住民にとっても簡単なことではないのです。
なぜペルーの地域のみに自生するかは、土壌や雨量、高度、空気などの環境の特殊性がもたらしたためと思われる。
特に、アンデス山脈の東側を下り、アマゾンの密林に至る地域は「ハーブの密集地」であり、 原住民の祖先が遠い昔から「身体や魂」を癒すために使用してきた沢山の植物の中でもキャッツクロウは、 「身体に最高に良い、薬用植物の」一つです。
原住民はキャッツクロウを煮立った湯で煎じ、お茶をのむようにして服用し、さまざまな病気を治す薬として用いてきました。
その病気というのは、腫瘍、潰瘍、肝炎、胃腸病、リウマチ、糖尿病、喘息、生理不順、淋病、前立腺、などで、 具合が悪くなれば、ほとんどの病気を、このお茶を飲んで治療してきました。
その効果は、非常に早く現れ、宝の樹とよばれています。
(エルサ先生談) 特に、近代医療最先端の地であるアメリカに、そのほとんどを輸出しているため、私達(イアップ)がキャッツクロウの 再生法の研究をし、植林に力を入れているのです。 (エルサ先生談)
その後も、他の植物の説明を聞いていると、突然、大粒の雨が降ってきました。どしゃ降り、スコールだ。
皆で樹の影に隠れましたが、気休めにもなりません。
エルサ先生が、もうすぐワラブキ屋根の小屋があるので、 そこまで走りましょう。
というので、ずぶ濡れになりながら走りました。
前が明るくなってきた。 高い樹がなくなり、開けた平地が見える。
これが植物園だ。(やっと到着、一息つきました)。
そこにはいろんな植物が植えてあり、2人の現地の人が作業していた。
エルサ先生が2人となにか話した後、 その人達と合流し、植物の名前と効能などを順番に説明してくれた。
チュチュワシ、サングレ・デ・グラード、 サルサパリージャ、コパイーパ、ガラナ、スマ、スクーバ、アチオテ、アブータ、ジャトバ、ペドラウメカアア、 ムタンバ、ムリャカ、アブータ、アルカチョフラ、チャンカピエドラ、パッションフラワー、その他たくさんの 植物です。
(私)がエルサ先生に尋ねました。
先生、「日本人とアンデス人・アマゾン原住民は同じ祖先のDNAを持つ」と 日本の新聞にでていたので、「原住民に効果のある薬草は、他の人種より、むしろ日本人に最も良く効くのでは ないでしょうか?」
(エルサ先生)「それは、大いに有ると、私も思います」。
原住民の顔なども日本人にちかいです。
その後、いろいろ説明を受けたあと、暗くなる前にジャングルをでる。